コラム

    • 早くも暗雲 ドジョウ内閣

    • 2011年10月04日2011:10:04:10:23:22
      • 關田伸雄
        • 政治ジャーナリスト

 

 マスコミ各社が実施した世論調査で、野田内閣の支持率が調査によっては10ポイント近く下がった。
 
 
 発足当初は菅直人前首相の不人気ぶりや「ドジョウ」のイメージ戦略も手伝って60%程度の高支持率だった。しかし、鉢呂吉雄前経済産業相が福島第1原発事故をめぐる失言のために就任わずか9日間で辞任したほか、一川保夫防衛相、小宮山洋子厚生労働相らの不勉強発言も続いた。山岡賢次消費者担当相兼国家公安委員長のマルチ商法業者との関係が浮き彫りになったことも影響しているようだ。
 
 元々、党内融和を最優先した党役員・閣僚人事で、「国民生活が第一」をうたってみても誰も信用しない。元秘書3人に有罪判決が出た小沢一郎元代表を処断できないことや、東日本震災から復興財源について野田首相本人が増税に一直線であることも、不支持率の上昇につながっているものとみられる。
 
 
 発進直後に失速した格好だ。朝霞公務員宿舎の建設中止でリーダーシップをアピールしてみてもどれだけ風向きが変わるか。首相の背後に財務省がいることを認めるだけではないのか。
 
 政治に人柄は本来関係ない。悪くない方がイメージ的にはいいが、政治に必要なのは判断力と実行力だ。野田首相がそれを発揮しているとは思えない。国会での論戦をみても、この政権に政治を任せておいて本当に大丈夫なのかという感が強まるばかりだ。
 
 
 首相はマスコミ各社が要請している「ぶら下がり取材」を拒否している。その代わりとして必要に応じて記者会見を行うと主張しているようだが、どうして国民に自らの政策をアピールするチャンスを放棄するのか。「失言するのが怖いのでは…」と国民に思われるような首相では安定的な政権運営などは望めない。
 
 
 「仲良く遊びましょ」は童謡の中だけでいい。自らが何をしたいのかを率直に国民に示し、野党との駆け引きに果敢に取り組んでそれを実現させる。愚直を売り物にするなら、そういう愚直さを見せてもらいたいと思うのは筆者だけではないはずだ。
 
 
 
--- 關田伸雄 (政治ジャーナリスト)

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