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テーマ  保険者についての論点
執筆者  医療法人 新さっぽろ脳神経外科病院 理事長 中川俊男
2005年2月8日掲載のコラム「保険者は患者の敵か味方か?」に対するご意見です。
>> コラム「保険者は患者の敵か味方か?」へ
 コラム「保険者は患者の敵か味方か?」(>> コラムへ)に関連して、ここでは、主に、大企業の従業員等が加入する健康保険組合および、その上部団体としての健康保険組合連合会に焦点を当てる。あるべき論も踏まえて、それぞれに対する論点を整理・列挙してみた。会員の前向きな提案を含めた意見交換の助けになればと考えている。

<健康保険組合>
社会保障を支える一つの機関というより、大企業の子会社的な意識で運営されていないか。
健康を損なった被保険者に軸足を置かず、「健康な」被保険者に軸足を置いていないか。
個々の健保組合の財務状況はどうなっているのか。
関連して、保険料率や、雇用主と被雇用者の負担割合の組合間の差について、どう考えるか。
付加給付とその内容はどうなっているのか。
医療給付以外にどのような事業を行っているのか。
関連して、それらの事業の穴埋めに保険料が流用されていないか。
天下り官僚の受け入れ数はどうなっているのか。

<健康保険組合連合会>
健保連の役割は何であろうか。また、必要あるのか。
関連して、政治家を集めての決起集会の目的は何なのか。
健保連としての決算が持つ意味はあるのか。
関連して、4兆円に上る正味財産の意味と活用方法はどういったものであるか。
健保組合間の財政調整や、そのための保険組織の可能性はあるのか。
無駄な事業や無駄な支出はないのか。
テーマ  「スカルペルの筆」を読んで
執筆者  医療法人社団 青柳皮膚科医院 理事長 青柳俊
2005年2月15日掲載のコラム「スカルペルの筆」に対するご意見です。
>> コラム「スカルペルの筆」へ
 コラム「スカルペルの筆」(>> コラムへ)を興味深く読ませていただいた。振り返ってみると、私自身も、いくつかのミスや間違いを起こしたことが思い出される。医師は皆、同じようにミスや間違いを起こした経験を持つはずだ。医師に対する生涯教育の充実が求められるのは、医療の分野において、反省しながら学習を繰り返す姿勢というものが非常に重視されているためである。

 文献を読むことも、講演を聴きに行くことも、自らの研究成果を発表することも大切だが、日々の「反省」と「学習」の姿勢こそが、すべての基本である。コラムで取り上げられたアタル・ガワンデ医師は日々の反省を文章にして公表する手段を選んだようである。その手法は色々あるだろう。いずれにせよ、思い当たる反省点が多い医師ほど、反省と学習の姿勢が身に着いていると言えるだろう。

* * *

 視点を変えて考えてみよう。医師が、すべてを経験し、知識も技術も完成された水準まで達するなどということがあるだろうか。おそらく、どんな医師であれ、白衣を脱ぐことになる時期になっても、そのような水準に達することは不可能だろう。

 知識も乏しく、技術も未熟な医師なら、自分より知識も技術の上でも水準の高い医者の支援を得るか、任せるかである。しかし、水準の高低などというものは、あくまでも比較の問題である。

 また、水準と一言でいっても何でそれを測るのであろうか。その医師が研修を受けた指導医や施設の質、経験年数、症例数、専門家による審査の結果か、あるいは、これらを総合的に組み合わせて判断するのか。そして、それぞれを、どういった基準で測るのか−−、などと考えると答えは簡単には出ない。

* * *

 ある聞き取り調査によると、「丁寧に話を聞いてくれ、やさしく、分かりやすく説明してくれること」が、患者さんが医師に対して期待することのトップにあがった。患者さんの病気の特性(急性、慢性)にもよるが、医師として、この期待をどのように受け止めるべきだろうか。あれこれ考えるとまた迷路に迷い込んだような気がする。ガワンデ医師の試行錯誤の続編を楽しみにしている。
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