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海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.07.14
活動的な高齢者ほど長生き−米国立老化研究所
 活動的な高齢者ほど長生きする−−。米国立老化研究所(National Institute on Aging)の研究者グループが、高齢者のエネルギー使用量(二酸化炭素の排出量)や安静時の代謝率を記録し、その結果と数年後の死亡率の相関関係を調べたところ、エネルギー使用量の多い高齢者ほど死亡のリスクが低いことがわかったという。

 研究では、約6年にわたり、302人の高齢者(70〜82歳)のエネルギー使用量と代謝率を毎年2週間分記録。この間に死亡したのは302人のうち55%だった。この結果を基に、エネルギー使用量に応じて「多い」「中間」「低い」3グループに分け、死亡リスクを算出したところ、「低い」グループの死亡リスクが24.7%であったのに対し、「多い」グループが12.1%と12ポイント以上もリスクが低かったという。

 活動的な高齢者ほど長生きであることは、これまでも運動量に関するアンケート調査結果を基にした研究でも指摘されている。しかし、同研究所のマニーニ博士らによれば「自己申告による『運動』は、特に運動を意識していない歩行やボランティア活動、介護などの運動量とエネルギー排出量が変わらない」として、自己申告ベースでは、十分正確なデータを得られないと指摘した。

 同研究論文は、米医師会会報誌(JAMA)7月12日付号に掲載された。
First released 11 July 2006 @
農業従事者の負傷の回復期には適正な鎮痛薬の使用を
 「高齢の農業従事者の負傷からの回復期には、鎮痛薬の使用方法に注意を」。カナダのアルベルタ大学のチームは、農業のように肉体労働を必要とする職業に就く高齢者の場合、鎮痛薬や抗炎症剤の使用を負傷の回復途上で止めると、再び負傷する危険性が高くなるとして、特別の注意を払うよう呼びかける報告書を発表した。

 報告書によると、保健及び農業関連機関に登録されている66歳以上の農業従事者8,129人(男性)うち、約3.5%に当たる282人が農作業中に鎮痛薬の使用に関連した怪我をしていたことがわかったという。

 報告書の執筆者、同大公衆衛生学のドン・ヴォークランダー教授は、「鎮痛薬の使用を止めたことで発生した痛みによる注意力散漫、運動能力にかかる制限で、転落事故や衝突、機械や家畜による怪我などを起こしやすくなっていたようだ。また、禁断症状から体の動きが制限されたケースもある」と指摘した。

 同教授は、この結果から「医師は、農業のような重労働に就く患者を診る際に、患者とともに、(痛みなど)身体にかかる制限が、いかに患者の作業能力を妨げるかを強く認識する必要がある。また、患者には鎮痛薬などの治療薬を処方された通りに使うことの重要性を認識してもらうべきだろう」と強調した。
First released 7 July 2006 @
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