先見創意の会
MENU
SSネット勉強会
<< トップへ戻る 海外トピックスバックナンバー一覧へ >>
海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.06.23
日系米国人の間で高い前立腺がんの生存率−日米共同研究チーム
 昭和大学、金沢大学、米ハワイ大学の研究チームは、ホルモン療法を受ける前の前立腺特異抗原PSA値が100以下の場合、日系アメリカ人の患者の前立腺がん患者の生存率が白人系アメリカ人より高いとの研究論文を発表した。

 ホノルルにあるクイーンズ・メディカル・センターで治療を受ける前立腺がん患者164人(日系人105人、白人系アメリカ人59人)を対象に、同センターでホルモン療法を始めてから5年後の生存率を調べた。そのうえで、年齢(平均年齢76歳)や人種、ホルモン療法開始前の前立腺特異抗原PSAの測定値、がんの進行度、がん細胞の悪性度を測るグリーソン・スコア等のデータの相関関係を調べたところ、PSA値が100以下の患者の場合(全対象者の1/4)、日系アメリカ人の生存率が66%だったのに対し、日系アメリカ人の生存率は42%だったという。

 PSA値が100以上の患者の間では、生存率に人種間の格差はみられなかった。

 研究チームは、同様の比較を中国系アメリカ人に対して行なったところ、PSA値が100以下の場合、白人系アメリカ人よりも高い生存率が確認されたとし、「前立腺がんの進行の度合いに遺伝的な人種間の格差があるのかもしれない」と指摘している。日系アメリカ人のほうが白人系アメリカ人よりも、ホルモン療法の副作用が少ないことも認められたという。
First released 12 June 2006 @
「禁煙ワクチン」を開発−米カリフォルニア大学
 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の習慣解消クリニック(UCSF Habit Abatement Clinic)は、ニコチン分子が脳細胞に作用するのを防ぎ、喫煙を「快楽」と感じなくする「禁煙ワクチン」を開発中だ。

 喫煙者の禁煙が難しいのは、ニコチンが血流に乗って脳に運ばれ、快楽中枢に働きかけることで依存を強めるため。開発中のワクチンを投与すると、免疫機能がニコチン分子を察知し、ニコチン抗体を産生する。抗体がニコチンを脳内に侵入するのを防ぐため、喫煙者は、喫煙による快楽や報酬の感覚を得ることができなくなる。

 同クリニックはカリフォルニア在住で18歳以上の喫煙者を対象に、向こう1年かけて同ワクチンの臨床試験を実施する予定。
First released 9 June 2006 @
(C)2005-2006 shin-senken-soui no kai all rights reserved.