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海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.06.02
米国人の糖尿病患者の1/3が自覚なし?−米CDC、NIH調べ
 米国疾病予防管理センター(CDC)と米国立衛生研究所(NIH)は、米国の20歳以上の成人の間で糖尿病患者数が増加傾向にあり、自分が糖尿病であるという自覚がない患者が1/3もいるとの報告書を発表した。

 CDCとNIHは、1994〜1988年と1999〜2002年にそれぞれ実施された米国民健康栄養調査(The National Health and Nutrition Examination Survey 、NHANES)の身体所見、血糖値などのデータを比較。その結果、糖尿病と診断された患者数が20歳以上の成人に占める割合が5.1%から6.5%に増えていたことがわかったという。また、自分が糖尿病であることを知らなかった人の割合は1/3に上り、26%の成人が空腹時血糖異常(IFG)で糖尿病前症であることもわかった。

 糖尿病前症とは、糖尿病と診断されるほど高血糖ではないが血糖値が高い状態のことを指す。糖尿病前症の多くは10年以内に2型糖尿病に移行し、たとえ糖尿病にならなくとも心臓発作や脳卒中の危険性は大幅に増大する。糖尿病になるリスクや発症を遅らせるためにも、自分が糖尿病前症や糖尿病であるかどうかを確認することは必要といえよう。

 Dr. Larry Blondeは「もし糖尿病前症であったり2型糖尿病であったら専門の医師に自分のリスクを相談するべきだ。なぜなら、糖尿病というほど血糖値が高くない場合は体重を減らし運動をすることで2型糖尿病になるリスクを減らせるからだ。糖尿病であっても血糖値や血圧、コレステロール値をコントロールすることによって糖尿病の合併症を防いだり、発症を遅らせることが出来るだろう」と強調した。

 IFG(impaired fasting glucose空腹時血糖異常):空腹時血糖が高値だが糖尿病とはまだ診断されない状態。IGT(impaired glucose tolerance)耐糖能異常:経口糖負荷試験で高値を認めるが糖尿とはまだ診断されない状態。アメリカ糖尿病学会(ADA)や世界保健機関(WHO)で使用。日本では糖尿病の診断基準(日本糖尿病学会)でIFG及びIGTの概念を両方含むものを「境界型」としている。
First released 26 May 2006 @
HIV感染者と担当医の意思疎通について
 国際エイズ治療担当医協会(IAPAC)は、HIV感染患者の治療についての認識が、医師と患者の間で必ずしも一致していない、とする調査結果を発表した。調査では、HIV感染患者399人と感染患者の担当医152人を対象に治療の満足度、治療の選択肢、副作用、医師と患者の関係、患者の日常生活への影響などについて尋ねた。

 その結果、血中ウイルスRNA量の抑制など治療で優先すべき点や、副作用の軽減措置などついての認識では、ほぼ一致していた。しかし、患者は医師が考えている以上に生活の質を維持するための配慮を望んでいること、医師が考えているほど、患者はHIV感染や治療方法について理解していないなど、双方の認識の食い違いも判明したという。

 ホセ・M・ズニガIAPAC会長は、この調査結果を受け、「HIV感染者が満足する治療法を確立するためにも医師と患者の間で、もっと率直な意見交換が必要だろう」と述べた。調査報告は「State of HIV Treatment: Results of IAPAC Surveys of HIV-Positive Patients and HIV-Treating Physicians in the United States」としてIAPAC会報誌に掲載された。
<関連サイト>
http://jia.sagepub.com/cgi/content/abstract/5/2/51
First released 22 May 2006 @
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