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海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.01.27
鳥インフルエンザは国際安全保障上の問題――米イリノイ大教授が警告
 米イリノイ大学の数学者、ジュリアン・パルモア教授は、鳥インフルエンザ感染が拡大した場合の影響は、国際的な安全保障上も問題となり得るとする論文を軍事専門誌「Defense & Security Analysis(防衛・安全保障分析)」に寄稿した。

 パルモア教授は「鳥インフルエンザは、すでに、鶏肉産業を直撃し、その国の経済に甚大な被害を与えることがわかっている。しかも、感染は、渡り鳥のルートを通じて広がると指摘されており、被害は広域にわたる可能性が高い。加えて、ヒトからヒトへの感染が現実のものとなれば、その影響は核戦争を除く、すべての戦争以上に甚大で長期にわたるだろう」と強調した。

 また、「国際的なテロの脅威に目を向けている間にも、鳥インフルエンザ感染を抑止する対策を怠ってはならない。津波のような自然災害であっても、どれだけ長期にわたり大きな影響を与えたかを考えれば、鳥インフルエンザで蒙る被害の規模が大きいことは想像に難くない」として、各国政府や当局関係者に対し、鳥インフルエンザの流行を早期にとらえ、警告する体制強化の必要性を訴えた。

 パルモア教授は3月に、英国ウエスト・サセックスで開かれる鳥インフルエンザ対策の国際会議に出席し、同様の警告を発する計画。
First released 24 Jan 2006 @
乳酸菌でエイズ予防薬を開発へ――米ブラウン大学
 米ブラウン大学医学部の研究チームは、遺伝子組み換え技術を使って、乳酸菌をベースにした抗エイズウイルス(HIV)菌を開発した。このほど、「the Journal of Acquired Immune Deficiency Syndromes」上で、この細菌の開発についての研究論文を発表した。同大では、この技術をHIVを感染前に死滅させる殺ウイルス剤(マイクロビサイド)に適用する考えで、今夏にもサルを使った試験を開始し、3年以内に臨床試験に入る予定だ。

 同大で開発した細菌は、乳酸菌に「cynovirin」と呼ばれるたんぱく質の遺伝子を組み合わせたもの。「cynovirin」は、HIVに貼り付き、HIVが粘膜にある細胞に侵入するのを防ぐ働きがあるとされる。遺伝子組み換え技術により、この性質を持つ乳酸菌の開発に成功した。

 マイクロビサイドは、ワクチンと同様にエイズ予防策として注目されている殺ウイルス剤。ジェルや泡状のものを局部に塗布することにより、性交によるHIV感染を防ぐ効果があるとされ、現在、開発が進められている。ブラウン大では、独自に開発した乳酸菌の技術を適用することにより、マイクロビサイドの効果をより高めることができるとみている。

 さらに、同大では、この技術を、エイズだけではなく、サルモネラやコレラなど粘膜を通じて感染する他の疾病の予防薬開発への応用にも広げる考え。  
First released 23 Jan 2006 @
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