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海外トピックス
英科学専門誌「Nature」および全米科学振興協会(AAAS)のオンラインニュースサービスなどから抜粋した記事、プレスリリースの要約記事を掲載しています。
掲載日: 2006.01.20
ノルウェーでも研究論文の捏造問題が浮上
 韓国の黄禹錫(ファン・ウソク)教授の論文偽造問題の熱も冷めやらぬ中、今度は、ノルウェーの医師の論文の偽造が発覚した。偽造が発覚したのは、2005年10月に英医学誌「ランセット」で発表されたラジウム病院(Radiumhospitalet Health Trust、オスロ)の医師、Jon Sudbo氏による論文。政府は事態を重く見て、1月16日、偽造に至るまでの経緯などの調査を続行する方針を示すともに、同様の論文偽造防止を図る狙いで国家偽造防止委員会の設置決定を発表した。

  偽造が発覚した論文の執筆責任者は、ラジウム病院のJon Sudbo氏。論文は「非ステロイド性抗炎症薬と口腔がんの危険性(non-steroidal anti-inflammatory drugs and the risk of oral cancer)」のタイトルで、NSAID(エヌセイド)と呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬が口腔がんのリスクを抑える効果があるとしていた。

 同論文については、今年1月に入ってから外部の科学者などから偽造の疑いが指摘され始め、ラジウム病院は11日に内部調査を開始。偽造が判明したことから、14日にノルウェー健康委員会、16日には同国の保健・ケアサービス大臣に、それぞれ偽造があったことを報告した。

  同病院は、スウェーデンのカロリンスカ研究所(ストックホルム)、オスロ大学、ノルウェー公衆衛生研究所などの関係者で構成する外部調査委員会も設置。同委を通じて、すでに今回指摘された偽造データの調査に入っており、過去にJon Sudbo氏が発表した他の38の論文についても調べるとしている。また、論文の共同執筆者についても、偽造への関与やチェック体制に関連した調査を行なう。

 Jon Sudbo氏自身は、外部調査委員会に偽造が発覚した論文に使用したすべてのデータを提供することに同意しており、偽造を認めているという。

  病院側は「事態を重くみて、偽造が発覚した後、すぐに政府機関や内外の関係者に報告することを心がけた。非常に困難な事態となったが、この問題で影響を受けた関係者の方々には深くお詫びしたい」(戦略ディレクターのStein Vaaler氏)としている。
<関連サイト>  
・「ランセット」: http://www.thelancet.com/
・「ラジウム病院」: http://www.radiumhospitalet.no/?template=forsiden(ノルウェー語)
http://radium.no/(英語)
http://radium.no/general/?k=news&aid=5245(偽造論文についての声明文)
First released 17 Jan 2006 @
小型の静脈センサーを開発−米ジョージア工科大学
 米ワシントン大学スクール・オブ・メディシンの研究チームは、苦味の味覚受容体の遺伝子が、アルコール依存症と関係がある可能性があるとする研究報告を発表した。

 対応にスピードを要する救急外来などで、注射を打とうとして患者の静脈をみつけるのに手間取るケースも少なくないだろう。米ジョージア工科大学の研究者らは、この問題を解決するため、超音波の反響で静脈の位置を確認できる小型の静脈センサーを開発中だ。

静脈センサーを持つ研究員 センサーは、万年筆を一回り大きくしたぐらいのサイズ。針を刺す体の部位の表面に超音波を発し、その反響で血管の位置を探す。動脈と静脈の違いは、血液の流れの方向で見分けることが可能。静脈を発見するとアラームが鳴る。人間の皮膚と血管のモデルを使った実験で成功した。

 音波を使った静脈センサーはすでにあるが、たいていは大型でコストもかかる。同大学では、「このような小型のセンサーなら、救急外来で急いで静脈を探さねばならないときや、診療所、介護施設、軍隊などでも使用できる」として、実用化に向けた開発をさらに進める計画だ。 
First released 16 Jan 2006 @
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