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(掲載日 2009.11.17)
懐疑心にこそ学ぶべき
【書評】宇沢弘文・内橋克人『始まっている未来 新しい経済学は可能か』岩波書店, 2009年
投稿者 坂口一樹 (日本医師会総合政策研究機構 研究員)


 
 “デモクラシー(democracy)”を“民主主義”と訳すのは誤訳だという話がある。“デモ(demo)”はギリシア語の“デモス(※民衆の意)”に由来し、“クラシー(cracy)”とは“(政治あるいは国家の)体制”のことだから、本来ならば、“民衆政治”とか“民衆政治体制”と訳すのが正しいと言うのである。

 しかし、個人的には“デモクラシー”=“民主主義”というのは名訳だと思っている。恐らく、デモクラシーの考え方がわが国に入ってきた明治時代、「また何やら訳の分からん欧米人の主義・主張が入ってきた・・・。」との懐疑的な思いが、その邦訳を民主“主義”(あるいは民本“主義”)とさせたのではないかと思うからだ。

 今、私たちは、そのような先人の懐疑心にこそ学ぶべきではないか。本書を読了後、そう考えた。ここ最近、私たち日本人は、余りにも純朴に、米国や欧州発の理論や思想、考え方を受け容れてきたと言えはしまいか。特に経済学の領域において、その傾向は顕著だったように思う。

 本書は、経済学者の宇沢弘文氏と経済評論家の内橋克人氏の対談形式をとっている。戦後のアカデミズムを、第一線の経済学研究者として、日米両国で支えてきた宇沢氏の証言は、その一つひとつが重く、そして貴重である。本書の中で初めて示された話も多く、それだけでも本書を手に取る価値がある。宇沢氏の言葉の端々から感じ取れる、研究者としての強い倫理観には、目を覚まされるような思いがする。

 また、本書には「新しい経済学は可能か」との副題が付いている。

 もちろん可能だと思う。ただし、そのためには私たち日本人が、この国の歴史を自ら振り返り、自分の眼でみて、自分の頭で考え、自分の足で歩きださなければならない。公費で海外に留学し博士号を取った元官僚などが、マスメディアのみならず、政策の現場やアカデミズムの世界でもいまだに幅を利かせているようでは、未来は暗い。この国の専門家が「スティグリッツの弟子」とか「バーナンキの薫陶を受けた」とか「ホッブズの第一人者」とか「マキャベッリ思想の研究者」とかいう肩書で呼ばれなくても済む未来を、創らなくてはならない。
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